イグスは、オランダの開発パートナー・MTRLと共同で、一般顧客向けのプラスチック製自転車「igus:bike(イグスバイク)」の初号機100台の生産を開始した。また、今後igus:bikeの生産能力を2年間で1万台に引き上げるべく、ドイツ・ケルンで生産工場の建設にかかっている。
igus:bikeは、イグスとオランダのMTRLが開発する、廃プラスチック材を使用したサステナブルな自転車。プラスチック製の自転車は、長持ちすると同時に潤滑剤を使うメンテナンスが不要で、屋外使用での腐食や汚れに強い耐性を発揮する。
長い開発期間の中で、igus:bikeは試作段階で金属だった部品(シートポストやブレーキバーなど)をプラスチックで製造し、現行版では全体の92%がプラスチック製となっている。初号機の重量は約17㎏、価格は約1200ユーロ(現時点で日本ではigus:bikeを販売しておらず、発売時期は未定)。
イグスのフランク・ブラーゼCEOが大量の廃棄プラスチックを使って自転車を製造するサステナブルプロジェクトを立ち上げてから3年半が経過し、イグスでは現在、顧客の手に渡る最初のigus:bike100台の生産を開始している。約1200名分の予約注文があり、本製品の公道走行の許可が得られ次第、順次顧客へ納入する予定。また、予約が入っている顧客の納品待機時間を短縮するために、自社工場に2年間で1万台の自転車の製造を見込む生産ラインを建設しているところだ。
igus:bike現行版では、以下の機能面も改良されている。
・カーブしやすいよう、ハンドルバーのステアリング角度を拡大
・ペダルを漕がずに車輪が回転できるよう、駆動系にフリーホイールを採用
・無潤滑でよりスムーズに車輪が回転するよう、ホイールハブ部分に耐摩耗性を高めたxiros®(クシロス)製ボールベアリングを採用
・安全に駐輪できるようダブルレッグスタンドを採用
また、igus:bikeには、シャンプーボトルや漁網など回収された廃棄プラスチックを使用しているが、こうしたリサイクル素材の使用比率を50%まで高めている。イグスでは今後、リサイクル素材の比率を75%に、そして長期的には100%にできるよう、研究開発を続けていく。
イグスとMTRLの両社は、「リサイクル素材の比率を高めたigus:bikeの普及が、プラスチックの廃棄を循環に転換させる両社のサステナブルビジョン実現への大きな一歩」と考えている。