東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://www.tribo-concierge.com/topics/296/)の第36回目が10月25日、東京都葛飾区の同大学 葛飾キャンパスでのオンサイト参加とオンライン参加からなる、ハイブリッド形式によって開催された。

トライボサロンは、トライボロジーに関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催されている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室のメンバーに限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。
第36回目となる今回のトライボサロンでは、大分大学・大津健史氏が「流体潤滑膜の計測とキャビテーション現象の観察」と題して、話題提供を行った。
今回の話題提供では、光干渉法による弾性流体潤滑(EHL)膜など接触面の可視化などによる、接触面で生じる現象の理解と物理量(油膜厚さ、温度、圧力)の測定といった流体潤滑膜の計測から、EHL膜のレオロジー特性の理解を目的に取り組んだ蛍光スペクトル法を用いた粘度測定について紹介したほか、油膜破断や表面損傷の原因となる一方でうまく制御することによりシールの密封性能向上や軸受の振動抑制につなげることができる「潤滑面でのキャビテーション現象」について、その発生現象の観察による発生条件解明への取り組みを紹介した。
流体潤滑における今後の学術面での課題として、キャビテーション現象のさらなる解明、EHL膜のレオロジー特性の解明、薄膜潤滑の理解などを提示して、総括した。
トライボサロンに関心のある方は、以下のURLを参照されたい。
https://www.tribo-concierge.com/topics/296/

