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SEMICON Japan 2024

 

NTN、高速・重切削工作機械主軸用アンギュラ玉軸受を開発

 NTNは、工作機械用精密軸受「ULTAGE(アルテージ)シリーズ」として、dmn値(dm(転動体中心径mm)×n(回転速度min-1))160万の高速回転性能と、同社従来品比で約1.3倍の負荷容量と許容アキシアル荷重を両立した「高速・重切削工作機械主軸用アンギュラ玉軸受」を開発した。これにより、従来は複数の工作機械で行っていた荒加工から仕上げ加工までの工程を1台の工作機械で担えるようになり、マシニングセンタや旋盤、複合加工機の一層の生産性向上に貢献する。

ULTAGE 高速・重切削工作機械主軸用アンギュラ玉軸受ULTAGE 高速・重切削工作機械主軸用アンギュラ玉軸受

 工作機械には近年、耐荷重性能が必要な中低速回転域の重切削から高速回転域の仕上げ切削までを1台で担うことが求められている。重切削の工作機械では、仕上げ切削もできるよう、現状のdmn値120万を上回る高速回転性能が必要とされ、また一方で、仕上げ切削の工作機械では、重切削も可能にする高い耐荷重性能が求められる。そのため、主軸用軸受には、トレードオフの関係にある、高速回転性能と耐荷重性能をより高いレベルで両立することが強く望まれていた。

 開発品は、転動体(ボール)の大径化など内部設計の最適化と従来品よりも断面積が大きい強化型保持器(断面積2倍以上)の採用により、dmn値160万の高速回転性能を実現するとともに、負荷容量と許容アキシアル荷重を同社従来品比約1.3倍に向上。これにより、高速回転と高荷重をより高度なレベルで組み合わせた厳しい条件で使用可能になり、工作機械の生産性向上に貢献するほか、工具と加工物の衝突に強い主軸づくりも可能となる。

同社従来品 HSEタイプ(左)と開発品(右)の構造の比較同社従来品 HSEタイプ(左)と開発品(右)の構造の比較

 NTNでは、本開発品を11月1日~6日に東京ビッグサイトで開催される「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」に参考出展し、工作機械メーカーやスピンドルメーカーに提案していく考えだ。