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SEMICON Japan 2024

 

NTN、軸受診断エッジアプリケーションの販売を開始

 NTNは、Edgecrossコンソーシアム(ECC)が提供する産業用IoTプラットフォーム「Edgecross®」に対応した軸受診断エッジアプリケーション「Bearing Inspector for Edgecross」を本年1月から販売する。リアルタイム診断・分析により生産現場のメンテナンス性や生産性の向上に貢献できる。

 Bearing Inspector for Edgecrossは、軸受近傍に設置された振動センサからデータを収集し、簡単かつ迅速に軸受異常を診断できるソフトウェア。軸受情報や設備の運転情報などの詳細な設定は不要で、NTN製以外の軸受の診断も可能で、運転や停止、回転速度など設備の稼働状況も収集できるため、生産現場でデータをリアルタイムに収集・分析することで設備の不具合や故障をいち早く検知し、適切なメンテナンスの実現につなげることが可能となる。

 主な特長は以下のとおり。

1.軸受のリアルタイム診断:軸受の診断結果を3~10秒ごとに更新。わずかな時間に現れる変化も捉えることができる

2.軸受情報の設定不要:診断対象の軸受情報や運転状況の設定が不要。NTN製以外の軸受の診断も可能

3.シンプルな出力:軸受の診断結果を、正常な状態から警告までの4段階で出力。最大16カ所で収集したデータを同時に診断処理して、画面表示できる

4.インターネット接続不要:導入、運用にあたり、インターネット接続は不要。データを外部に出したくない場合や、ネットワーク環境が整っていない場合でも利用できる

 近年、省人化や生産性向上を背景とする生産現場のIoT化に伴い、生産設備の予知保全へのニーズが高まっている。エッジコンピューティングは、生産現場側でリアルタイムにデータの収集・分析からフィードバックまでを行う情報処理の方法で、その処理スピードや優れた応答性により、生産現場のニーズに対応するソリューションとして注目を集めている。

 NTNはこうしたニーズに対応する商品として本商品を2021年に開発し、販売に向けた準備を進めてきた。体験版の提供を通じて寄せられた要望に基づき、運転や停止、回転速度など設備の稼働状況を収集し、設備が安定している稼働条件で診断ができる仕様に改良することで、稼働状況が変化する場合でも、より精度良く診断することが可能となった。

 NTNは、新たな事業領域の一つとしてサービス・ソリューション分野の取り組みを進めている。販売を開始する本商品をはじめ、国内トップの採用実績を誇る大型風力発電装置向けの状態監視サービス、高度な状態監視が可能なセンサ内蔵転がり軸受「しゃべる軸受®」など、デジタル技術を活用した商品・サービスの開発・提供を通じて各産業の生産性の向上に貢献していく。

NTN 軸受診断エッジアプリケーションの販売を開始 システム構成例
システム構成例