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THK、工具監視AIソリューションがファナックCNCとのリアルタイム連携を開始

 THKは、OEE(設備総合効率)最大化プラットフォーム「OMNIedge(オムニエッジ)」として2022年11月に販売を開始した「工具監視AIソリューション」の機能を強化すべく、ファナックが提供するCNC(コンピュータ数値制御)装置との連携を本年9月より開始する。今回の連携により、従来と比べて本ソリューションの導入や運用の工数を低減しつつ、工具の欠損・チッピングの検知による不良品の連続排出防止と刃具交換の最適化を実現する。

 工具監視AIソリューションは、工作機械のサーボアンプのケーブルに後付けした電流センサや、CNC装置のデジタル入力信号などから加工中の波形データを取得して、日々の生産で学習した正常モデルを基に工具の異常を検知するソリューション。これまで、旋盤やマシニングセンタ、自動盤などの幅広い工作機械に対して、多様な加工条件下(タップやドリル加工、外径/内径旋削用インサートによる旋盤加工)で導入しており、工具の微細なチッピング検知による加工不良品の排出防止や工具交換タイミングの最適化に寄与してきた。

 工具監視AIソリューションは今回、さらなる進化として、ファナックが提供するCNC装置とのデータ連携を開始した。従来はCNC装置からデジタル信号を入力するためのラダープログラムの編集や加工中の品種と波形データの紐づけ作業などが必要となる場合もあったが、今回の連携により、加工プログラムや工具番号といった情報をCNC装置からリアルタイムに直接取得できるようになり、運用や立ち上げがスムーズになる。また、混合生産や変種変量生産のように加工中の品種が変わる工程においても、品種ごとの正常モデルを自動で切り替えるため、より精緻な異常検知を実現する。

 THKでは、OMNIedgeについて、今後も既存ソリューションの機能強化を図り、ユーザーにとって最適なソリューションを提供することで、OEE最大化に貢献していく、としている。

 ファナックCNCとのリアルタイム連携を開始した工具監視AIソリューションの特長は以下のとおり。

・工具の異常検知:モータに設置した電流センサやCNC装置の入力信号からサイクルデータを抽出し、学習したモデルで工具の欠損やチッピングをリアルタイムに検知。不良品の連続排出を防止

・工具の摩耗度モニタリング:工具がワークに接触している際のサイクル波形を抽出して摩耗度を算出。最適な工具寿命を分析することで交換頻度を削減して工具コストをカットできる

・ワンパッケージでの提供:電流センサやAIコントローラなどのハードウェアや通信環境、ソフトウェアまでワンパッケージで提供。ユーザーによる選定が不要ですぐに始められる
 

THK 工具監視AIソリューション ファナックCNCと連携 bmt ベアリング&モーション・テック