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SEMICON Japan 2024

 

日本滑り軸受標準化協議会、第34回総会を開催

 日本滑り軸受標準化協議会(PBSA)は3月17日、「2021年度 第2回総会(通算 第34回総会)を開催した。

 当日はまず、開会挨拶に立った林 洋一郎会長(オイレス工業)が、以下のとおり述べた。「私が笠原又一PBSAアドバイザーからPBSA会長職を引き継いだのが2018年6月末で、本年6月末で4年間が過ぎようとしている。この間2020年2月にコロナウィルスの感染が拡大し、同年2月13 日のISO/TC123委員会の国内委員会が対面型の会議としては最後となり、以降は電子メールによる開催、ウェブ開催へと変化してきた。これまでの4年間のうち1年8ヵ月は対面だったが、2年間の非対面が経過したことになる。総会も書面総会が3回続いたため講演の機会もなく、会員各位には情報提供もできず申し訳なく感じている。今回がウェブ方式での開催の第1回目となり慣れない部分もあるが、本日はよろしくお願いしたい。ここで2020年3月以降の簡単なレビューをすると、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号が横浜港に着いたのが2月3日でその後の感染拡大は周知のとおりだが、日本機械学会からは数回にわたり指針が示され、本年4月からはウェブと対面を同時に行うハイブリッド方式での会議開催も認められた。また国際会議は2019年秋に中国杭州で開催された後、フランス、東京で予定されたがいずれもウェブ方式で行われた。予算と実績という意味では国際会議への出張、開催がなくなったことから予算は組んだものの実績は計上されず、繰越金が増えた状況にあり、これを背景に理事会の承認を受けて暫定的に会費の削減を行い、次年度会費の削減も幹事会の承認済みとなっている。2020年10月に田中 正 ISO/TC123 国内委員会 前委員長が産業標準化事業表彰経済産業大臣表彰を受けた。2021年4月に国内委員長の交替があり、横浜国立大学名誉教授の森下 信氏に新委員長に就任していただいた。また、日本滑り軸受標準化協議会とISO/TC123国内委員会の体制をおさらいすると、標準化活動は日本機械学会の傘下で行う体制になっている。以前は経済産業省の支援範囲の中で活動を行っていたが、染谷常雄PBSA顧問の尽力や軸受各社の参画により、PBSA設立後は経済産業省の支援だけでなくPBSAからも様々な支援を行うようにしてきた。以上、2年分のレビューをもって挨拶に代えたい」。

林 洋一郎PBSA会長 bmt ベアリング&モーション・テック
林 洋一郎PBSA会長

 

 続いて前回の総会(第33回総会)総会の議事録が確認され、2021年度事業の経過報告が以下のとおり行われた。

・2021年6月1日、第1回総会を電子メールによる書面総会にて開催

・2021年10月に日本でISO/TC123国際会議が行われる予定だったが、COVID-19の影響で2022年2月15日・16日・17日・21日・22 日(計5 日間)のウェブ開催に変更された。国際会議への参加にあたり会議室等の費用を支援

・ISO/TC123平軸受国内委員会(本委員会及び小委員会)に担当会員が出席し、審議に参加

・2021年度に発刊された滑り軸受に関するISO規格や規格開発の際に使用するISO規格(21点)を購入し、ISO規格開発に関する支援を実施

・日本規格協会の国際標準化会員を継続

・『ベアリング新聞』2022年1月5日号へ年頭挨拶を寄稿

・監事および会員の交代を説明

 また、2021年度会計経過報告がなされた後、2021年度の途中から、大豊工業 畑中雅憲委員から同社 加藤慎一委員への交代があった旨が報告された。

 さらに、ISO/TC123平軸受国内委員会の2021年度の活動状況について、花橋 実 国内幹事(大同メタル工業)から、ウェブ形式での開催となった国際会議の内容や現在開発中の規格についての報告がなされた。近年、中国が規格開発のプロジェクトリーダーを引き受けているほか、規格の新規提案を積極的に進めており、その動向を注視していく必要があると述べた。

 今回の総会では、日本機械学会ISO/TC123 平軸受国内委員会 森下 信会長(横浜国立大学 名誉教授)が、「グリースの流動可視化実験」と題して、偏光顕微鏡を利用してグリースの流動を可視化した実験について講演を行った。

 次回総会(通算 第35回総会)は、ハイブリッド形式(集合&ウェブ配信)にて東京駅近辺で6月16日に開催する予定(COVID-19の感染状況次第でウェブ形式のみでの開催に変更される可能性あり)。