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SEMICON Japan 2024

 

NTN、リヤ用小型・軽量ドライブシャフトの販売を拡大

 NTNは、高級車に多く採用されている後輪駆動車に最適なリヤ用小型・軽量ドライブシャフト「Rシリーズ」の販売を拡大している。省燃費・省電費化に向けて自動車構成部品の小型・軽量化が進む中で、リヤ用ドライブシャフトとして世界最小・最軽量となる同シリーズは、その適用による高い燃費改善効果が評価され、日本や欧州などの自動車メーカー数社の後輪駆動を主とするSUVや電気自動車(EV)で採用されている。同社では2027年度に80億円/年の販売を目指す。

 ドライブシャフトはエンジンやモータなどのパワートレインユニットの動力(トルク)をタイヤに伝える部品で、タイヤ側(固定式)とデファレンシャル側(しゅう動式)の二つの等速ジョイント(CVJ)とそれらをつなぐシャフトで構成される。

 リヤ用小型・軽量ドライブシャフトRシリーズは、同社が2015年に開発した「リヤ用軽量ドライブシャフト」の設計をベースに幅広いサイズバリエーションを取り揃えたシリーズで、後輪駆動の内燃機関車やEVに適用が可能となっている。

 リヤ用ドライブシャフトには従来、フロント用CVJが流用されてきたが、Rシリーズは、リヤ用に必要な作動角や機能に限定した形状への最適化を図るとともに、肉厚を薄くした中空シャフトとコンパクトブーツを採用している。これら各構成部品の見直しにより、必要な負荷容量を確保しながら、フロント用CVJとして世界最高水準の小型・軽量を実現していた従来品よりもさらに30%軽量化(中型クラスの後輪駆動車に適用されるドライブシャフトの場合:2.2kg軽量化)、外輪外径を3~5%小型化し、リヤ用CVJとして世界最小・最軽量を実現した。作動角度は19°(固定式、しゅう動式)。

 脱炭素化社会を背景に自動車のCO2排出量の削減への対策が進む中、ドライブシャフトの軽量化へのニーズはこれまで以上に高まっている。Rシリーズの軽量化による燃費改善効果をJAPIA LCI算出ガイドライン(日本自動車部品工業会が定める自動車の製造、使用段階における効率的なライフサイクル環境負荷量の算出方法)に基づき内燃機関車で試算した場合、従来品適用車両に対して燃費は0.05%の改善、CO2排出量は0.075g/km の削減効果が見込まれる。こうした高い環境性能が欧州をはじめとする国内外の自動車メーカーに高く評価され採用につながったもので、2018年に量産を開始して以来、着実に販売を拡大している。

 今後、燃費規制が一層厳しくなる中、後輪駆動形式が採用される傾向にある高級車への適用の可能性が広がるほか、EVにおいては走行性能を向上させるために車両の前方と後方にそれぞれパワートレインユニットを配置する四輪駆動車(4WD)が増加する傾向にあり、軽量を特徴とする同シリーズの需要はさらに高まることが見込まれている。

 同社は、世界シェア2位を誇るドライブシャフトのトップメーカとして、自動車のトレンドや変化するニーズを着実に捉えた商品の開発・提供を通じて業界をリードするとともに、同シリーズをはじめとする高機能商品の一層の販売拡大を通じて、環境負荷の低減に貢献していく考えだ。

NTN リヤ用小型軽量ドライブシャフト Rシリーズの構成 bmt ベアリング&モーション・テック
Rシリーズの構成

 

NTN リヤ用小型軽量ドライブシャフト 適用箇所 bmt ベアリング&モーション・テック
適用箇所