東京理科大学トライボロジーセンター(センター長:佐々木信也 教授)は先ごろ、ドイツOptimol(Optimol Instruments Prüftechnik)社の日本総代理店であるパーカー熱処理工業(https://srv-pnk.jp/)の協力のもと,コンパクトサイズのオシレーション摩擦摩耗試験機「ETS(Easy Tribology Screener)」1号機を設置した。表面改質や潤滑油剤、材料などさまざまなトライボロジー試験で活用していく予定だ。
ETS は、摩擦摩耗試験機大手のOptimol社が開発・製造した、簡単・スピーディーにトライボロジー評価試験が行える入門機。荷重は最大300Nであるが,コーティング薄膜や潤滑油・グリースなどのスクリーニング評価には十分な仕様となっており,試験中の摩耗進行や薄膜隔離などをオンライン計測できる点に優位性がある.また,ETSはトレーニングがほとんど必要なく、簡単かつ直感的に操作できるため、納入初日から高品質な試験結果が得られる。主な仕様は,荷重1~300N、摩擦係数0.001~0.5、ストローク0.01~3.00mm、速度10~70Hz、RT~200℃、オンライン摩耗量測定の分解能は0.1μm(最大2mm)である。
トライボロジーセンター長の佐々木教授は「センターでは,さまざまなトライボマテリアルや潤滑剤について,ナノレベルでの現象解明からマクロな実用部品評価まで,幅広いトライボロジー研究を行っている。ETSは搭載された静電容量ギャップセンサーによってオンライン摩耗量測定が可能なことに特徴があり、DLCなどの薄膜や改質表面などの密着性や耐摩耗性の評価において,国際的な標準試験機としての普及が期待される」と語る。
パーカー熱処理工業では、佐々木研究室でETSを活用した研究内容や確認されたETSのメリットなどを検証しながら、ETSの販売促進につなげていく。