イグスは、機械や設備などの画像からAIが無潤滑化につながる樹脂部品を提案するアプリ「igusGO(イグスゴー)」の日本語対応バージョンをリリースした。AIの提案をもとに従来の金属部品を樹脂部品に置き換えることで、潤滑油が不要になり、環境負荷の低減やコストカットにつながる。
igusGO は、2023年にドイツ本国でリリースされて以降、設計者のユーザーを中心に全世界で8000ダウンロードを突破している。
金属部品が使われる機械や設備では、部品同士の摩耗や故障を防ぐために、グリースなどの潤滑油が欠かせない一方で、年間約2220万t以上の潤滑油が水や土壌に流れ、潤滑油の環境への影響が懸念されている。
イグスは可動部におけるすべりの技術を強みに、樹脂部品(モーションプラスチック)を提供しているが、機械や設備で使われる金属部品をモーションプラスチックに置き換えることで、潤滑油が不要になり環境への負荷を下げることができる。また、定期的に潤滑油を差す作業や、潤滑不足による機械故障のダウンタイムがなくなるため、人件費やメンテナンスコストの軽減にもつながる。
2024年にドイツのアーヘン工科大学とイグスが発表した共同研究では、無潤滑のエンジニアリングプラスチック製すべり軸受に置き換えた場合に、年間で最大1400万ユーロ(約23億円)相当の潤滑油が不要になるという調査結果が出ているという。
今回日本語対応バージョンがリリースされたigusGOは、環境に優しく高品質・長寿命なモーションプラスチックの活用・置き換えを、ユーザーがタイムリーかつ手軽に検討できるように開発されたアプリ。日用品から家具、自動車、農工機械、包装機械まで、可動機構を持つ幅広い対象物をAIが認識し、ベアリングやリニアガイドなど、活用・置き換えの可能性があるイグスの無潤滑部品をユーザーに提案する。用途など数項目を選択するだけで、効率的に製品や採用事例を見つけることができ、そのままWebショップでの購入もしくは問い合わせが可能。
製品検索から、問い合わせ・購入までの流れは以下のとおり。
①アプリを用いて撮影し、用途を選択
②採用事例から製品情報を確認
③Webショップで購入、もしくはヘルプデスクへ問い合わせ