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SEMICON Japan 2024

 

NTN、予防保全に最適な新型ハンディ型異常検知装置を開発

 NTNは、長年培ってきた軸受診断技術および振動解析技術を活用し、簡単操作で軸受の異常検知が可能な「ハンディ型異常検知装置II」を開発した。コンパクト化、計測時間の短縮により生産性の向上に貢献する。電動機(昇降機)、製紙機械、プラント設備、工作機械、一般産業機械の設備保全、出荷検査、サービス員携帯用として広範な用途を見込んでいる。

ハンディ型異常検知装置II:機器寸法 幅50mm × 奥行き50mm × 高さ90mm程度ハンディ型異常検知装置II:機器寸法 幅50mm × 奥行き50mm × 高さ90mm程度

 同社では、Android端末を用いて振動データの計算・分析・結果表示が可能な振動測定装置「ハンディ型異常検知装置」を2014年に開発、提案してきたが、各分野で採用が進む一方で、ユーザーからは一層の取扱い性の向上やコンパクト化、防塵・防水性などの耐環境性が求められていた。

 そこで、従来品は本体と測定端子を有線でつないだ別体型としていたのに対し、開発品では本体と測定部をユニット化し、取扱い性の向上、コンパクト化を実現した。IP65対応の防塵・防水仕様により、加工時の粉塵やクーラントが飛散する設備の近傍でも使用できる。また、USBケーブルによる給電も可能で、長時間にわたる測定にも対応できる。

 開発品は、軸受の異常検知装置において、国内メーカーとして初めてiOSに対応。測定した振動データは専用アプリをインストールしたiOS対応スマートデバイスに送信され、OA値(OverAll:加速度、速度、変位の各振動の周波数成分の振幅を合計した値)の分析や、FFT分析(高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)を用いて周波数スペクトルを求め、入力信号を分析・解析する手法)によって軸受の正常・異常の判定、異常時の軸受の損傷部位の特定などを可能にしている。1回の計測にかかる時間も無線通信部分の最適設計などにより、従来品の1/10に短縮。測定結果は端末内に保存でき、測定履歴をグラフ表示することで、設備状況の継続監視にも活用できる。

 NTNでは、今後も、高品質で高機能な軸受の開発・提供に加え、軸受の診断・分析用ツールや診断技術サービスも強化し、設備のトータルライフサイクル延長、ダウンタイム削減や生産効率向上のための技術のご提案など、サービス・ソリューション事業を拡大していく。

使用例使用例