THKは、歴史的文化財を所有する文化施設向けに展示ケース用の免震テーブル「VIT型」を開発した。10月から受注を開始している。
文化財展示ケース用免震テーブルVIT型は、博物館や美術館などの文化施設に導入される外周4面をガラスで覆った行灯型独立展示ケースを主なターゲットとした薄型設計(高さは最小96mm)の免震機器。免震構造は支承(直動案内)・復元(ばね)・減衰(粘性ダンパー)の機能が一つに組み込まれており、展示用ガラスケースの真下に設置することで、ケース自体はもちろんのこと、歴史的に貴重な文化財を地震の大きな被害から守る備えとなる。
THKは、世界中の産業機械で採用されてきた直動案内の技術を応用して、建物用免震からフロア免震まで名実共に数多くの実績を積み重ねてきた。地震の揺れを低減して大切なものを保全するTHK免震により、ユーザーのニーズに合わせた最適な地震対策を提案する。
特長は以下のとおり
・展示ケースの仕様に合った製品ラインナップ:規格化された展示ケースの形状に合わせ た4サイズ(□600、□750、□900、□1200をラインナップ。展示ケースに合わせたオプション品(アジャスタ、キャスタ、スライド巾木もラインアップ)
・直動案内の特性を最大限に活用して地震の揺れを低減:搭載物はボール循環方式による転がり案内「ユーティリティスライドUGR」に支持され、分離しない構造。引抜力やねじれにも対応し、ガタツキのない安定した動作で搭載物を地震から守る。粘性ダンパーによる減衰機構と引張ばねによる復元機能を有する。
・実証された免震性能:震度6弱以上の大地震を想定した免震性能を保有し、応答解析と振動試験結果が一致していることを検証済み