イグスは4月10日~12日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される「Offshore & Port Tech 2024 in Sea Japan 」に出展、日本初の陸上給電設備を有する川崎港で採用されたケーブル管理システムなどの製品実物を展示し、海外15以上の港における事例を紹介する。
会期中の11日には、イグスの港湾事業責任者である山下茂樹氏が陸上給電関係者向けのセミナーで「陸上給電における船舶への接続機器とソリューションの紹介」と題して講演し、世界の陸上給電をリードするイグスの先進事例や、日本の港で陸上給電を導入する際の検討事項、障壁と解決策について説明するほか、イグスの国内カーボンニュートラルポート(CNP)事業参入の展望や目指す立ち位置についても話をする。
「2050年カーボンニュートラル」などの政府目標のもと、日本の産業や港湾の競争力強化と脱炭素社会の実現に貢献するため、国土交通省は近年、国内のCNP形成を推進している。CNPとは、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化やクリーンエネルギー受入環境の整備などを図る港を指す。CNP形成の一つの柱として注目されるのが、停泊中の船舶に陸上の電力を供給する「陸上給電」で、停泊中の船舶から発生するCO₂排出量は、港湾区域・臨港地区におけるCO₂排出量の約3割とも言われ、供給方法を従来のディーゼルエンジンから陸上電源供給に置き換えることで、CO₂排出量の高い削減効果が期待されている。しかしながら、世界的に陸上電力供給への転換が進んでいる一方で、日本国内ではまだ転換事例が多くない。
イグスは、陸上給電設備に欠かせないケーブル管理システムを提供し、2016年以降ノルウェーやバーレーン、ドイツなど海外の15以上の港に導入されるなど、世界トップクラスの実績を有している。電力と船をつなぐための豊富なノウハウと樹脂部品メーカーとしての強みを生かしたケーブル管理システムの性能が評価され、2022年4月に日本初の陸上給電設備が誕生した川崎港でも、電源盤から船までをつなげるケーブル管理システム(ケーブルおよびケーブル保護管、コネクタ)にイグス製品が採用された。EVタンカーに高速充電するための陸上給電設備(EV船用給電ステーション)としては世界初で、川崎市は1隻あたり年間約365tのCO₂(一般家庭約250世帯分の年間消費電力量相当)削減が可能になると試算している。
「Offshore & Port Tech 2024」におけるイグスの出展内容は以下のとおり。
①世界の港の陸上給電設備を支えるケーブル管理システムを国内初展示:海上に停泊する船に陸上から給電するためのケーブルマネジメントシステム(CMS)をはじめとした製品実物を国内で初めて展示
②陸上給電の先進事例や障壁、解決策についてイグス港湾事業責任者が講演