日本精工は、複写機などの事務機向け「高防塵低摩擦損失軸受」を開発、高防塵性と低摩擦損失の両立を実現した。2020年に年間10億円の売上を目指す。
複写機の現像部に使われる軸受は、トナーなどの細かな粒子に曝されることから、異物の軸受内部への混入を防止する目的で防塵性が高い接触ゴムシールが使用されている。しかし、消費電力の低減のため、接触シールの摩擦損失低減が課題となっていた。
また、複写機の搬送部に使われる軸受は、軸受がスムーズに回転しないと紙詰まりを起こすため、摩擦損失が低い非接触シールドが使用されているが、特に新興国などでは紙質が悪いため紙がローラーで搬送される際に紙粉が発生することから、軸受内部への紙粉の混入を予防する防塵性能向上が課題となっていた。
これに対し日本精工では今回、高防塵性能と低摩擦損失性能を両立することで、複写機の搬送部や現像部など幅広く使用可能な軸受を開発したもの。
開発品では非接触シールドを採用することで、接触シールに比べて約1/5の低摩擦損失を実現した。また、グリース配置形態を工夫することで、接触シール同等の高防塵性能を可能にした。これにより、事務機における異音、振動上昇や紙詰まりを防ぎ信頼性を向上するほか、省エネに貢献する。