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SEMICON Japan 2024

 

NTN、長野製作所でミヤマシジミの羽化に成功

 NTNの生産拠点である長野製作所(長野県上伊那郡箕輪町)の敷地内で、保護活動を行ってきた絶滅危惧種のミヤマシジミが羽化に成功したことが確認された。

ミヤマシジミ
羽化が確認されたミヤマシジミ

 

 ミヤマシジミは主に関東・中部地方に生息する蝶の一種で、近年は幼虫の食草の減少などが原因で個体数が減少し、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧ⅠB類に指定されている。

 同社グループでは、社会の持続的発展に貢献することを目的に「NTN環境基本方針」を策定し、地域環境との共生を最重要課題として、生物多様性保全に取り組んでいる。長野製作所も本方針に則して長野県と2019年に「生物多様性保全パートナーシップ協定」を結び、県と連携してミヤマシジミの保護活動を行っており、同年に保護活動の一環としてミヤマシジミの定着に向けた活動を同製作所の敷地内で開始した。

 活動は、敷地内に保護区を整備することから始まり、その後食草となるコマツナギの植樹、産卵試験、保護区の草刈りなどを、自然保護団体や信州大学の指導のもと従業員が自ら実施。こうした取組みの結果、本年4月に幼虫がふ化し、6月2日に初めて羽化した。これまでに10匹以上の羽化が確認されている。

 現在、長野製作所では保護区を拡張し、繁殖の安定化に取り組んでおり、将来的には市民に保護区を開放し、自然環境について考える場を提供する予定。

 NTNグループでは本活動のほかにも、全国各地の事業拠点で近隣の森林を整備する活動などを推進しており、今後も自然環境保護や環境意識の向上に貢献していく考えだ。

保護区で食草の植え付けを行う同社従業員
保護区で食草の植え付けを行う同社従業員